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TOP空き家の利活用事例 > インタビュー①【空き家で暮らす】

空き家で暮らす

風景は変えられない。
だから、この場所を選びました。

築120年の空き家を改修し、3年ほど前から神山町で新たな暮らしをスタートさせた寺田さん。
その空き家の一角を間借りし、昨年の暮れから同居を始めた渡邊さん。
2人の移住者の話から、空き家活用のメリットと、移住生活の可能性が見えてきました。

近いものが
本当に近い場所

─そもそも、お二人が神山町に移住したきっかけは?

寺田:以前から「徳島県に面白いまちがある」という噂は何となく聞いていて、休暇を利用してふらっと足を運んだんです。東京の暮らしも面白かったんですけど、もっと自由に創作活動ができる場所で暮らしてみたいという気持ちもどこかにありました。自分で家具を作るにしても、東京の賃貸マンションは狭いし、大きな音も立てられませんから。

渡邊:僕は、神山町の映像制作会社に入社したのが移住のきっかけです。昨年末から寺田さんと一緒に暮らし始めるまでは、会社の寮に住んでいました。

寺田:実際にこちらに足を運んでみると、風景はのどかだし、何よりも人柄がすごくいい。地元の方に案内していただいて、3日間ほど各地を回ったり、地元の人とお酒を酌み交わしているうちに、この場所がすっかり気に入ってしまいました。阿波踊りもそうですけど、徳島の人って、どこかラテン系の気質の方が多いですよね。東京は、人は近いようで近くないけれど、こちらの人は、近いものが本当に近いと思います。

寺田天志さん

─こちらでの仕事内容について教えてください。

寺田:3DCGを使って車をデザインする、デジタルカーモデラーという職業をしています。会社勤務を経て2011年に東京で独立し、国内のコンセプトカーの立体画像を作ったり、海外のモーターショー用の映像を作ったり。CMや映画、研究所などの仕事も請け負ってきました。神山町は早くから通信インフラが整った田舎として知られていたので「ここなら、仕事も安心して継続できるな」と思ったのも移住先に選んだ理由の一つです。すでに、地元の映像制作会社と連携した仕事も生まれています。

渡邊:この地域には、多くの映像制作やソフト開発の会社などがサテライトオフィスを作っていますが、やはり通信インフラが整っているという理由が大きいですよね。僕が務めていた映像制作会社でも、東京のオフィスとつながりながら仕事をしていました。僕自身は昨年に会社を退職し、今年からは農業に挑戦しています。

デスクワーク

3年を掛けて
自ら空き家を改修

─お二人が住んでいる家は築120年だと聞きました。古い梁や柱など、とても雰囲気がある建物ですね。

寺田:神山町に足を運んで3日目ぐらいに地元の方と飲む機会があり「家があれば、ここで暮らしたい」と言ったら、次の日に空き家を紹介してくれたんです。田舎に行くほど、僕みたいな“よそ者”なんかに先祖代々の家を貸してくれないものですが、地元の人が大家さんとの間をつないでくれて。景色も最高に良かったし「ここにします!」と即決しました。でも、その後結構苦労することになるんですよね。

─苦労と言いますと?

寺田:空き家になってから15年ぐらい経過していたので、かなり老朽化が進んでいたんです。景色ばかりに目が奪われて、あまり家の中を見ていなかったっていう(笑)。ホコリもすごかったので、ある程度家が片付くまでは町内のコワーキングスペースをリビング代わりにしていました。

外観

─空き家の改修は、どのようにされたのですか?

寺田:お金もあまり掛けられなかったので、床や増築部分などの一部だけを地元の大工さんにお願いして、内装などはほとんど自分で改修しました。まず3Dで改修後の完成イメージを作り、大工さんと相談しながら進めるという感じです。基礎をやり直すために、自分で砂利を6トンぐらい運びましたね。あれは本当に辛かった(笑)。最終的には倉庫だった場所を事務所として改修しました。美しい景色が広がる方角に増築し、大きな窓やトップライトで光を屋内に取り込んでいます。ここまで来るのに、3年かかりました。

イメージCG

渡邊:改修を手伝うという条件で一緒に住まわせてもらっているんですけど、僕が来た時はすでに、かなりキレイになっていましたね(笑)。オフィスの窓や、庭から見る景色は本当に最高。僕が住まわせてもらっている2階の部屋からも、神山町の風景が一望できるんです。

渡邊啓高さん

この場所だからこそ
できることがある

─空き家改修のメリットを教えてください。

寺田:家が老朽化していても、借りる決断をした理由の一つは、家は(改装して)変えることができるけど、風景は変えることはできない。今の家も、この景色があるから選びました。もう一つが、自分で好きに改築してもいいという条件をいただいたこと。大変だけど、自分で理想の形に近づけていくのは本当に面白いです。ただ、力仕事が苦手な人は、空き家の状態をしっかり見極めた方がいいかもしれない。景色と状態の良い空き家、両方揃っているのがやっぱりベストだと思います。

室内

─お二人のこれからの抱負を聞かせていただけますか。

渡邊:今年からは、神山町で進行している「フードハブプロジェクト」の一員として働くことになりました。少量多品目の農業を実践しながら、年間約250品目ぐらいの新鮮な野菜を店舗に届ける予定です。忙しい毎日になりそうですが、疲れた時はこの風景が心を癒してくれると思います。

寺田:今、教育委員会や地元小学校の協力をいただきながら、子どもたちに3Dモデリングや3Dプリンターの授業を行っています。地元の製材所にも協力していただき、木の伐採から加工、商品化までの工程を学べる機会にしたいなって。人が少ない地域だからこそ実現できるし、密度の高い授業が可能になる。素直な子どもたちばかりなので、本当に教え甲斐があります。「すげー!」と目を輝かせる子どもたちの姿を見るだけで、元気をもらえますね。今回の空き家改修にしても、一つの実証実験として地域に還元できる日が来るかもしれません。今後も自分の仕事を地域に活かしながら、この場所だからこそできることを追い求めていきたいですね。

Before

完成イメージCG

After

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