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TOP空き家の利活用事例 > 空き家利活用事例④【藍庵】

藍庵(ラーメン店)

 

 

●東京から美波町日和佐に

四国霊場23番札所『薬王寺』の門前町では,空き家をリノベーションしたカフェやサテライトオフィスのオープンが相次いでいます。

その門前町に新たに空き家を活用したラーメン店『藍庵』がオープンしました。美波町が募集した空き家の活用事業者に応募したのが,東京でラーメン店を経営する松田さん。

(左)松田さん親子/(右)トッピングされているのは徳島県南産の阿波尾鶏

 

都会育ちの松田さんですが,友人を訪ねてたびたび美波町を訪問するうち,地元のお祭りに参加したり道の駅で臨時出店したりするほど美波町の自然や人のあたたかさを気に入っていたそう。

そして出店のため親子で美波町に移住!

地元食材にこだわって薬膳を取り入れたメニューは,長距離歩いてきたお遍路さんの疲れも癒やす優しい味になっています。

薬王寺からの眺め(右下が門前町)

 

●薬王寺門前町の再生

『藍庵』がオープンした薬王寺の門前町は,地元の人はもちろんお遍路さんも多く訪れる商店街でしたが,高齢化に伴い空き家も目立つようになっていました。

美波町ではかつてのにぎわいを取り戻そうと『門前町再生プロジェクト』として様々な取組が進めており,今回の古民家改修もそのひとつ。

店内にはかつての様子を写した写真や街並みの模型が展示されている

 

通りに面する空き家の調査をしたうえで,まずは薬王寺に近い今回の物件から手がけることに。

まず外壁の改修や耐震改修を町が行い,入居が決まったあと2階の住居部分や店舗の設備改修を町の補助金も活用して松田さんが行いました。

 

(左)改修前/(右)改修後

 

町の工事でシロアリ被害のひどかった柱は取り替え,耐震補強のため鉄骨で梁を補強。古民家の雰囲気を残しつつ,飲食スペースと交流スペースをあわせ持ったステキなお店に生まれ変わっています。

梁が補強された店内

中庭に面した窓からは田園風景が臨める

店頭にも店内にもベンチが置かれお遍路さんや地元の人がひと休みできる

 

●通りを明るくする笑顔

地元の人やお遍路さんだけでなく県外から藍庵を目当てに訪れる人もおり,店ができたことで町に好循環が生まれています。

「何にもない」と美波町の生活は退屈気味だった息子さんも,最近始めたサーフィンに夢中とのこと。

松田さん親子の明るい笑い声は,門前町の通りも明るくしています。

お二人の笑顔でこちらも笑顔になる

 

<物件概要>

名称  藍庵
場所  美波町奥河内寺前229-1
用途  ラーメン店
整備・管理運営  美波町/合同会社桃次郎商店
構造・規模  木造2階建て
HP  https://iron.momojiro.site

<取材時期> 2018年10月

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