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TOP空き家の利活用事例 > 空き家利活用事例⑩「ホマレノ森研究所 『山西』」

●はじめに

空き家を改修し、林業及び建築業のプロフェッショナル人材のUIJターンや、林業及び建築業に従事する若者の育成を促進するための施設が、

神山の山々を一望できる場所に完成したということで、誉建設の完成見学会に参加し、社長の鎌田様にお話を伺いました!

 

誉建設では現在、森と街と暮らしを繋ぐ「幸せの森」づくり『ホマレノ森プロジェクト』を進めています。

その一環として、神山町の築約85年の古民家をフルリノベーションして、私たちの未来について大切なことを考える場であったり、様々な目的に合わせて利用できる「遊べて・学べて・楽しめる」新しい場であるホマレノ森研究所『山西』を作り上げています。

改修工事はもちろん、工務店の仕事の枠を超え、解体、土堀、型枠の建て込み、生コンの打設、外構の石積み、片付けまでありとあらゆる作業を、一から社員の大工・職人が手作業で行っています。

材料は一つ一つ丁寧に修繕し、再利用できるものは大切に使い、何世代にも渡り、修理・修繕のできるように取り組んでいます。

 

●『山西』とは

ホマレノ森研究所『山西』とは、暮らし方、働き方、作り方、伝え方、様々な「方」を考えて共有していく場所です。

人だけではなく、暮らしに関係する環境や森、動物、地域、社会、地球で起こることを知って、暮らしの質を高めたい。

難しく考えずに「ひと手間」かけて楽しむ、そんな場所になればとの思いが込められています。

<外観>

<テラス>

<1階内部>

<2階内部>

 

●『山西』との出会い

誉建設の会長(社長の父)の出身地は、神山町です。

会長は父親を戦争で亡くし、母親(社長の祖母)と二人で神山の家、山、田畑を売り払い、これからの生活のため徳島市内に移ることになりました。

社長は祖母から生前「神山に帰りたい」と何度も聞かされており、いつかは自分にルーツのある神山と関わりを持ちたいと考えていたところ、この築85年の民家を紹介してもらったそうです。

社長はすぐに一人で出向き、この美しいロケーションに心を奪われたとのこと。

その手放した神山の実家、養蚕農家の屋号が「山西」だったことや、神山町の西に位置することから『山西 やまにし』と名付けられました。

<テラスからの美しい眺望>

 

●『山西』のこれから

そもそも何故、ホマレノ森研究所『山西』を造っているのか?それは誉建設の事業指針である『ホマレノ森プロジェクト』に起因しております。

このプロジェクトは、家を建てるだけではなく、地域で活かされ(生かされ)、必要とされる地域循環型社会形成企業を目指し、以下図の4つを目的としています。

 

 

誉建設では長年にわたり、家づくりに欠かせない木材をこれまでにたくさん使用し消費してきましたが、地域や自然に対して循環と還元が必要と考え「自然を育み、人を育てる森」としてこのプロジェクトを発足させました。

ヒト、モノ、コトを創造し育んでくれる存在として森をイメージし、ホマレノ森を育む活動を通じて、ヒトと企業の成長を実現していきます。

具体的には上図にもある通り、「家づくり」、「人づくり」、「森づくり」、「暮らしの質づくり」それぞれが連動しながら活発に活動できる仕組みを構想中です。

ホマレノ森研究所『山西』を起点に、暮らしをより豊かにできるイベントやセミナーを随時開催し、社員自らも参加し技術・知識の向上に役立て人材育成にも活用できる空間を作ります。

これ以上環境に負荷をかけない、未来の子供たちに少しでも暮らしやすい地域環境をつくりたい、その想いを込めて。

 

●『山西』の使い方

ホマレノ森研究所『山西』を具体的にどう使うのか?

・神山の木材の利用促進、啓蒙活動
・情報配信スタジオ
・山間部の空き家利用
・改修工事は大工の伝統工法の実践型教材
・不便な暮らし体験
・最小限のエネルギーでの暮らし
・山業を体験(林業、山農業など)
・レジリエンス啓蒙活動
・山、暮らし、建築、環境、地域など循環型社会の学び、セミナー
・アーティストの作品展示ギャラリー
・山のアウトドアごはんを食べたい

など、これから一年ほどは関係者で体感し、今後の方向性を模索していくとのことで、今後の活用が広がりそうで楽しみですね!

 

●『山西』ができるまで 

<1階解体の様子>

<生コン打設の様子>

<左官工事の様子>

<外構工事の様子>

 

●おわりに

空き家を社員自らリノベーションし、天井を設けず梁あらわしとし開放的な空間にするなど、空き家を上手く活用されていました!

また自社だけに留まらない利他的な取り組みである『ホマレノ森プロジェクト』や、様々な利活用の可能性を秘めたホマレノ森研究所『山西』いずれも、和気藹々と一体感をもって、熱心に取り組まれている誉建設の皆さんだからこそ、推進・実現していくことができるものだと感じました。

神山の美しい自然の中で、この素晴らしい取り組みを中心にどう盛り上がっていくのか?今後の展開が楽しみです。

最後に、取材に快く応じて下さいました誉建設 代表取締役社長 鎌田さま並びに社員の皆様にはここに厚く御礼申し上げます。

 

<物件概要>

名称  ホマレの森研究所 『山西』
場所  神山町上分字一宇夫20
構造・規模  木造2階建て
建築年  築約85年
ホームページ

 ホマレノ森研究所『山西』 ※工事中の詳しい様子を確認できます♪

<取材時期>2022年7 月

 

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